看護倫理・管理学(博士前期課程・博士後期課程)
分野の目指すもの
看護倫理学
看護は「人」を対象とする実践の科学であり、人間を尊重すること、つまり人権を尊重することが、看護が看護たり得る基盤となる重要な理念です。看護倫理学研究室では、こうした理念のもと、医療現場が抱える様々な倫理的課題、例えば高度先進医療における「インフォームドコンセント」の問題、患者の安全を守るという名目で行われてきた「身体拘束」の問題、療養の環境が施設から在宅へとシフトする中で生じてきた「訪問看護師の葛藤」など、その実態を探るとともに、看護職としてどう対応していけばいいのか探求してきました。
看護管理学
看護管理学とは、保健・福祉分野における人的・物的・経済的資源の効果的・効率的なマネジメントを体系化していく学問です。このようなマネジメントスキルは管理者のみに求められるのではなく、全ての看護職者に必要とされるものです。また、看護のあり方は医療制度・政策に大きな影響を受けるため、患者・国民の健康の維持・増進に必要な看護や医療提供体制についてエビデンスに基づく政策提言をしていくことが必要です。
- 教員
- 教授 習田 明裕准教授 國江 慶子助教 三輪 聖恵助教 前田 耕助助教 加藤 智史助教 松本 赳史
分野の教育内容
看護倫理学
現在は主に、臓器移植、特に健康な人から臓器提供を受ける生体移植や、脳死移植現場における看護職の倫理的葛藤について、看護の視点から研究を進めています。
看護管理学
看護管理学教室では、現存する課題の解決や将来の看護提供体制の検討に資する研究を行っています。演習では看護倫理学教室と合同で厚生労働省や日本看護協会等で幅広い看護の役割について学びます。
研究テーマ
看護倫理学
- 臓器移植看護における看護師の役割・機能に関する研究
- 看護職が直面する倫理的課題の探索およびその対応(移植看護、手術看護、ICU看護、救命救急看護、認知症看護、他)
- 利用者の尊厳や権利を尊重するケアの方法及びシステムの開発など
看護管理学
- 看護師の専門職性に関わる研究(多職種連携、人材育成、他)
- 看護師の国際的移動に関する研究
- 医療の対象者に向けた「看護」の可視化と数量化に関する研究
- 効果・効率的かつ安全なケアの方法及びシステムの開発など
インフォメーション